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酒が入ると会話も弾んだ。 と言っても、オレとゲンジさん中心だったが、たまに、ゲンジさんとお義母さんが見つめあったりするのを見て (やっぱ、恋ってイイもんだなぁ) と微笑ましく、また羨ましく思った。 実家で2人と別れたアト、帰りの車中で 「イイ人そうで良かったじゃないか」 赤ら顔で、チョイ酔いのオレが言うと 「そう?なんか…キザじゃない?」 ゆっくり車を走らせながら、妻はオレの方を向くことなく答えた。 「まあ、オマエとしては、母親の結婚ということで、相手が、どんな人でも抵抗はあるんだろうけど、オレはアノ人で良かったと思った。性格も温厚そうだし、話しやすいし、聞き上手だし」 「そりゃー、悪い人には見えなかったけど…でも1回会っただけじゃ判らないわ。それに何アレ。お店で2人、見つめあったり、イチャイチャしたり。イイ歳して恥ずかしいったらありゃしない」 「他の客は別にウチらのことなんか気にして見てないだろうよ。それにオレも気にならなかったな。お義母さんも良いパートナーが出来たんだし、これからの人生、謳歌してもらおうよ」 「他に楽しいことなんか探せばあると思うけどね」 などと妻は終始ボヤキっぱなしであったが、オレの方はゲンジさんと会って、少し不安は解消された。
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