14人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜。僕は寝る前に、キラに宛てた質問をいくつかノートに書き込み、ペンを添えておいた。翌朝、緊張しながらノートを見ると、弱い筆跡で返事が書かれていた。
『最後の日、ぼくは白竜の滝からさらに遊歩道を上ったところで殴られて、崖から落とされた。顔は見てないけどまぶしいほど黄色いものが目に入った。
婆ちゃんと喧嘩して家を出たから、家出だと思われてたんだと思う。だから誰も探してない。
海人に何とかしてもらおうとは思わない。どうせもうぼくは死んだし、時間が経ちすぎた。
文字、書くの疲れるね。ぼくも、もう眠くなっちゃった』
そこで終わっていた。
眠っている脳を起こして書いたのだとしたら、疲れるにきまってる。
十の質問のうち、まともに答えてくれたのはこれだけだった。生前の住所や電話番号は正直欲しかった。けど、場所も日時も状況もだいたい分かった。
今日は休日。
続きは僕が動いて調べる。
最初のコメントを投稿しよう!