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 その日の夜。僕は寝る前に、キラに宛てた質問をいくつかノートに書き込み、ペンを添えておいた。翌朝、緊張しながらノートを見ると、弱い筆跡で返事が書かれていた。 『最後の日、ぼくは白竜の滝からさらに遊歩道を上ったところで殴られて、崖から落とされた。顔は見てないけどまぶしいほど黄色いものが目に入った。 婆ちゃんと喧嘩して家を出たから、家出だと思われてたんだと思う。だから誰も探してない。 海人に何とかしてもらおうとは思わない。どうせもうぼくは死んだし、時間が経ちすぎた。 文字、書くの疲れるね。ぼくも、もう眠くなっちゃった』  そこで終わっていた。  眠っている脳を起こして書いたのだとしたら、疲れるにきまってる。  十の質問のうち、まともに答えてくれたのはこれだけだった。生前の住所や電話番号は正直欲しかった。けど、場所も日時も状況もだいたい分かった。  今日は休日。  続きは僕が動いて調べる。
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