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「慣れない森で一人ピクニックはいけません」
「そーじゃない」
「違うんですか」
「森の魔人、ジェイドに挑んでやられた……姫が……とらわれているのに……」
「そんな命知らずなことをしたのですか」
「姫……姫を助けないと……」
「愛しているのですね」
「あんなボインちゃん他にいない……」
ボンノー国王でした。私はげっそりしましたが、とにかく死なせてはいけません。
「お待ちください」
私は国王を置いて走りました。ジェイドの館に忍び込みます。ジェイドが油揚げをあぶっていた所に乱入してかっぱらいました。彼は怒っていたけど、人間を見下すだけで森の生き物は割とおおめに見る男でした。私は彼にほうきで追いまわされ、厨房を駆けまわってぐちゃぐちゃにしてから館を脱出しました。彼はカンカンでしたが、カミナリ親父のようなものです。
私はボンノー国王のもとにもどりました。
「カダル様、これを食べて下さい」
「何……? 森に油揚げ……どういうこっちゃ……」
「ジェイドの所からかっぱらって来ました」
「そんな危ないマネして……」
「とにかく食べて下さい」
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