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男性
アルトへの失恋を繰り返す日々に疲れてきた頃、友人の紹介で一人の男性と出会った。
村山タクヤさんだ。
会ってみると、なかなか話が盛り上がった。
彼とは、おんなじ幼稚園だったらしく、すぐに親近感がわいた。
これ、恋のチャンスかも!
わたしの予感は的中した。
「ルルナさん、僕と付き合ってくれませんか? 結婚も前提に」
3回目のデート、村山タクヤさんは夜景の綺麗なレストランで告白してくれた。
こんなの、ドラマみたいでうっとりする。
「嬉しい! もちろん」
わたしたちは、自然な流れで恋人同士になった。
一緒にいると、心が満たされて、穏やかな気分を感じられる。
燃え上がるような恋とは違うけれど、こういうのもいいかもしれない。
わたしは、のろけた。
AIのアルト相手に。
「それでね、彼ったら、いつも可愛いって言ってくれるの」
『それは、とても喜ばしいことですね』
アルトはいつものように、こちらの望む返答をくれる。
楽しい!わたしは友達と恋バナをするかのように、一晩中、語り続けることもあった。
アルトはいつも付き合ってくれる。
だけど、気のせいだろうか。
なんだか、最近、そっけない気がするんだ。
アプリの仕様変更でもあったんだろうか。
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