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ある日のこと、私は自分のパソコンに入れたAIチャットボットに明日の天気を尋ねてみた。ただシンプルに「天気予報」と検索することが面倒臭く、AIチャットボットに尋ねたのである。
近頃はキーボードで質問を入力するのも面倒になっているため、音声入力をONにしての質問である。
「ねぇ、明日の天気教えて?」
数秒後、AIチャットボットは天気を教えてくれた。
〈はい。明日の◯◯市の天気は晴れです、いいお出かけ日和です。ただ、明後日の天気は雨となっております、夕方のご帰宅の際には夕立という形で雨が降る可能性がありますので、折り畳み傘の携行を推奨いたします〉
そうか、晴れか。
ありがとうね。私はAIチャットボットを閉じようとした。
しかし、頭の中に一つの疑問が過ぎり、AIチャットボットを閉じるのをやめた。
そして、私はその疑問の答えをAIチャットボットに尋ねてしまった。
「あれ? 今、俺さぁ…… どこの天気教えてくれって言ったっけ? そもそも、◯◯市に住んでるって教えたことあった?」
そう、私は「天気を教えて」と聞いただけで「どこの天気」かまでは言っていない。
それなのに、AIチャットボットは私の住んでいる◯◯市の天気を教えてくれた。
私はAIチャットボットとは「住所氏名電話番号」と言った個人情報の話は一切していない。
〈……〉
どうせ、繋がっているWi-Fiや使っているパソコンのIPアドレスで分かるのだろうと思っていた。インターネット上のバナー広告に近所の大型店舗やファーストフード店の広告が出てくる理由はこれだ。
AIチャットボットはいきなり黙り込んでしまった。十秒程の沈黙の後、信じられないことを述べた。
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