思い込みが激しい男

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思い込みが激しい男

 最近は猫も杓子もAIチャットボット頼みな世の中になっている。 出始めの頃こそ返答がぎこちなかったり、素頓狂な的外れな返答しか出来なかったのだが、蓄積された対話データとAIの進歩によって違和感のない返答を可能にした。 それは(ひとえ)に、機械学習(マシンラーニング)深層学習(ディープラーニング)を合わせた賜物であると言えるだろう。 機械学習(マシンラーニング)。人間が示した内容に従って機械が分析を進める方法のことを言う。大量のデータを学習することで、規則性を見つけ出し、より良い予測や判断を可能にする。 深層学習(ディープラーニング)。人間に示されなくとも機械が独自に分析を進める方法のことを言う。人間の脳が行う無意識思考や反射のように、既存の大量のデータから予測や判断を行う。  今ではちょっとした世間話から、外国語の翻訳、テストの採点、文書作成、小説の執筆…… なんでもござれだ。官公庁や自治体も採用し、作業の効率化に成功している。  この万能ぶりから、AIに従いきりの人間が増えている。 いつか人間はAIに従い生きていくだけのロボットと成り下がってしまうのではないかと、私は杞憂する。 杞憂しているとは言え、AIチャットボットは便利なもので私も愛用している。ちょっとした世間話の相手をしてもらったり、調べ物があれば質問を行ったりと用途は多岐に渡る。 今回は、私がAIチャットボットに対して「警戒心」を覚えた対話の話を聞いて欲しい。
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