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会社に着き、エレベーターに乗ると桜田さんが乗ってきた。
ふわっといい匂いがする。
「夏目さん、おはようございます。」
微笑んだ桜田さんが俺に言った。
「おはようございます。」
桜田さんは同じ部署の一つ下の後輩で、とにかくかわいい。朝、桜田さんと同じエレベーターに乗ることは俺の唯一の楽しみだった。
桜田さんと雪…
結構いい勝負だな。
雪が桜田さんみたいな格好してたら…
いつもピンクとか淡い水色とか女の子らしい服を着ている桜田さん。
小ぶりなアクセサリーがキラキラしてる。
雪も、きっと似合うだろうなこういう格好。
と、締まりかけたエレベーターにウザいのが無理やり乗り込んできた。
椛沢主任だ。
「おはようございます椛沢主任。」
「おはよー桜田ちゃん、今日もかわいいねっ!」
チャラ…イケメンでもないのにチャラいのウザいだろうな。桜田さんが引き攣ってるの気づけよ。
「おはよーございます。」
俺も仕方なく挨拶する。
「ッチ。今日も辛気くせーな夏目は。」
それはあんたの顔を見たからだよ。
「お前も体鍛えたら?俺なんか昨日10キロ走っちゃったんだからなー。」
そう言って俺の首に腕を回してくる。
ウザ。
「どーせお前は一日中家にいたんだろうなー。」
ウザいウザい。でも今日の俺には心に余裕があった。
「その通りです。はは」
愛想笑いで対応した。
「やっぱりなー!そんなだからお前はいつまでも童貞なんだよ!」
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