日曜日

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それからの俺たちは少しぎこちなくなった。 寝る時になっても、会話は最低限。 視線も合わない。 「じゃあ、電気消すね。」 「はい、おやすみなさい。」 雪は床に、俺はベッドに寝る。 昨日と同じなのに、全然寝付けない。 雪、明日には出て行ってしまうかもな。 明日俺は仕事に行かなきゃならないけど、その間もここに居てくれていいと言うつもりだ。 けれど仕事から帰ったら雪はもういない気がする。 雪が訳アリなのはわかりきってることなのに、何でわざわざ聞いちゃったんだろう。 俺、ホント、空気読めないな。 でも 雪も… 何でキスするんだよ。 あのタイミングで… せっかくのキスなのに、あんな顔されたら喜べない。 色々考えてしまって全然寝られない。 一人モヤモヤしているとベッドが軋んで雪が俺の隣に来た。 「ミーさん、少しだけ…一緒に寝てもいいですか?」 「…もちろん。」 雪が寝られるように横にずれスペースを空ける。 俺のシングルベッドで雪と一緒に寝る。 「ミーさん…」 雪が小さな声で言った。 電気を消しているから雪の表情はわからない。 「ミーさん…ごめんなさい、私…」 「俺の方こそごめん。もう何も言わなくていいからっ…」 「ミーさん…。ごめんなさい、ありがとう。」 雪が俺のTシャツの肩口をキュッと掴んだ。 雪に謝って欲しかったわけじゃない。 言いたくないことは言わなくていいんだ。 でもいつか、雪の抱えてることを教えて欲しいと思った。 雪の抱えてることを俺も背負いたいから。 俺は雪が好きなんだから。 そう思って、気づいたら雪を抱き寄せてた。
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