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缶ビールを開けて飲んでも味がしない。
前はどうやって一人で過ごしていたのか思い出せない。
チョウチンアンコウがそんな俺を見ていた。
お前も主人が居なくなって寂しいだろう…。
チョウチンアンコウを抱きしめた。
すると、インターホンが鳴った。
スマホを見るとちょうど0時だった。
雪…?
チョウチンアンコウを投げ捨て玄関へ向かう。
勢いよくドアを開けるとそこに女性が立っていた。
背が高くて綺麗な服を着ていて雪じゃないとわかった。
その人は顔を手で覆って泣いているようだった。
こんな夜中に、こんなとこで…?
不審に思いながらも泣いている人は放っておけない。
「あの、大丈夫ですか?」
声をかけても返事はない。その人はただ泣くばかりだ。
「あの…何か助けが必要ですか?タクシー呼びましょうか?」
やっぱり返事はなかった。
「どこか痛みますか?救急車の方がいいですか?」
と一歩近づくと、その人はゆっくりと顔を覆っていた手を下ろした。
「…っ!」
驚いて言葉にならない。
彼女には目も鼻も口もなかった!!
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