アイちゃんは天邪鬼

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「あれ、テレビついてる……?」  ひとり暮らしをしている自宅へ着くと、いつだかのスポーツ観戦以来つけていなかったテレビの画面が、暗闇の中で煌々と光り輝いていた。  少しぎょっとし、部屋の明かりをオンにする。すると床でうつ伏せに寝転ぶリモコンが視界に入り、俺は「ああ」と頷いた。  昼間の地震でこれがテーブルから落下して、その拍子についたのか。  ふうと息を吐き、スーツのポケットからスマホを出して宅へ置く。コンビニで購入してきた今日の夕飯も、そこへ置いた時だった。 「明日、世界は終わります」  テレビから聞こえてきたとんでもない言葉に、俺の体は固まった。 「明日、地球は消滅するんです」
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