単身アパート突撃

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単身アパート突撃

約束通り、先週末は久し振りの帰宅をし子供達との時間をいっぱい作ってくれて、(わたし)へのサービスとお詫びもしっかりしてくれた。 久し振りの我が家で寛げたのか逆に疲れたのかは分からないけれど、数時間かけての移動が疲れる事は確実で、月一でも帰って来るのは大変だよねと智希の背中を見送り思った。 「やっと帰って来たんだ、旦那さん。」 パート先での休憩中、同じ時間に休憩になった斉藤さんになんとなく会話の中で夫の話になり、いつもの様に愚痴混じりの反省を口にする。 「そうなんですよ。なんだかんだで二か月以上帰って来なくて…私はいいんですよ?電話もしてるしビデオ通話で顔見れるし。子供達は、特に下の子はお父さん子で遊んで欲しい年頃ですしね?会えると会えないでは違うんですよね。」 「子供の事は双方、親の責任がある訳だし旦那さんも面倒を見る責任があるけれど、子供に会いたいと言われて少し無理をしても会いに来ない様な親は、少し親の愛情が欠落しているんだと思うね。」 「欠落ですか?」 あたし、大丈夫かしら?と少し考えながら聞き返していた。 「小さな子なら余計にさ、親は世界の中心なんだよね。スーパーマンで正義の味方でね?親のする事はなんだって正しい!そう思ってるもんじゃない?私はそうだったけど、今の子はませてるから違うのかなぁ。でもね、親は昔も今も親でしょう?子供が直接会いたいって言ってるのに無視する親は、もっと自分にとって大事な何かがあるって事じゃない?それが仕事なら仕方ないになるけど、趣味や友人との遊びだったら許せないでしょう?」 「許せないです!」 思わず智希を想像して答えてしまった。
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