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ひみつの編集
一時間にも及ぶ澤井様との打ち合わせを済ませ、相模は秘密の地下室へと足を踏み入れた。
カチリと照明のスイッチを押し、途端に視界に現れたのは壁一面の液晶画面。
部屋の中央にポツリと置かれた椅子の下にはハードディスクを内蔵した筐体がいくつも鎮座し、そこから無数のコードが各所に蔓延る。
棚のようなサーバーは規則的に点滅し、今日も元気に起動していることを示していた。
「さてさて…」
預かったマイクロSDカードを取り出し、挿入口へと差し込んで彼は大仕事の準備を開始。
気合を入れつつ相模は椅子に腰掛けた。
「では、ReMeさん。始めましょうか」
その合図を出した瞬間だった。
壁を埋め尽くす画面が一斉に起動し、中央の一番大きな画面に【RefrainMemories】との文字が集うように浮かび上がる。
数秒の後、煙が散るようにロゴが崩れ、それと入れ替わるように異世界的な空間映像が展開。
そこにポツリと一人の女性が現れた。
『マコトさん、こんにちは。今日もお仕事ですね?』
そう話し掛ける声は、あまりにも流暢だった。
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