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「あなたのことは、すぐにわかったよ。だからタイムスリップした先が、最悪の未来に繋がる瞬間なこともわかって、絶対に阻まなければと思ったんだ」
「本当にだとしたら、ありがとう……なのかな」
未だにどう受け留めたらいいのか反応に困りつつも、せめてもの思いでそれだけを口にした。
「そう思ってくれるなら、ありがたいって、僕も思うよ」
勇気の笑った顔が、また儚げに揺らいで見える。
「ねぇだけど……私が今井先生と結婚しなかったら、あなたはどうなるの?」
ふと気づいたことを尋ねると、
「そりゃ、存在しなくなるだろうね」
と、彼は寂しそうに笑ったままで話した。
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