運命られた未来(あした)

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「かき氷ってさ、食べるとこのへんが痛くなるよね」 彼がこめかみの辺りを指で差して、おかしそうに笑う。 「うん、そうだね。でもそれも醍醐味っていうか」 私も笑って返す──。彼とはまだ会ったばかりなのに、なぜだかすぐに打ち解けられた。 「ねぇ、次はどこに行こうか?」 「えっ、次……?」 「そう、せっかく出会えたんだから、もう少し付き合ってよ」 屈託もなく笑うその顔に、ついつい惹かれてしまう。 「うん……いいよ」 スプーン片手に頷くと、彼は「よかったー」と口にして、さらにうれしそうに顔を崩して笑った。
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