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水着を借りて、ライトアップされたプールではしゃいでいると、ふいに頭上からドーン! と、大きな音が響いた。
見ると、夜空に大輪の花火が上がっていた。
「すごい、花火まで! 夏の楽しいことみんな、今日一日で満喫しちゃったみたい!」
大満足でしゃべる私とは裏腹に、
「そう、だって、そのつもりだったからね……」
プールの縁に腰かけた彼が、所在無さげに足をブラブラとさせながら、ポツリと呟いた。
さっきまでの明るさがちっとも感じられないその姿が、なんだかとても儚げに見えて、
「そのつもりって、何? ねぇまた次も、会えるんでしょう?」
自分もプールから上がって、彼の隣に座ると、首を傾げて尋ねた。
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