運命られた未来(あした)

9/17

76人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
水着を借りて、ライトアップされたプールではしゃいでいると、ふいに頭上からドーン! と、大きな音が響いた。 見ると、夜空に大輪の花火が上がっていた。 「すごい、花火まで! 夏の楽しいことみんな、今日一日で満喫しちゃったみたい!」 大満足でしゃべる私とは裏腹に、 「そう、だって、そのつもりだったからね……」 プールの縁に腰かけた彼が、所在無さげに足をブラブラとさせながら、ポツリと呟いた。 さっきまでの明るさがちっとも感じられないその姿が、なんだかとても儚げに見えて、 「そのつもりって、何? ねぇまた次も、会えるんでしょう?」 自分もプールから上がって、彼の隣に座ると、首を傾げて尋ねた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加