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シュークリーム
引き続き、次に浮かんだ物を語る。それは、王道の洋菓子。和菓子を食べたら洋菓子も食べたくなる。そして、特にこれは大好物。
「シュークリーム下さい……。大好物なんです……。」
再びレンジからチンと音が鳴った。レンジを開けるとシュークリームが1つ乗った皿が置いてあった。
(やはり……。しかしこれはいつの間に……？)
料理を語れば即座に出てくる。その流れは学習できたが、その仕掛けが未だにわからず不気味に感じる。そして、今度は勢いよくシュークリームにかぶりついた。
「はむっはむっ。んぐっ！ ぶうぅぅぅーっ！」
クリームを口に含んだ瞬間、中身を思わず勢いよく吹き出した。
(なんだこれっ！？ めちゃくちゃ辛くてヒリヒリする！ 水！水っ！みずーーーっ！)
クリームからは甘味が感じられない。それどころか、その甘さに代わる途轍もない辛さが、口内を瞬時にほとばしる。よく見るとシュークリームの中身は、たんまりと黄色いペースト状のものが入っているが、甘いクリームではなく、明らかにカラシだった。そして、水道の蛇口はあるが、堅く縛られ水が出てこず、ポットからも何故かお湯が出てこない。
(どこにカラシ入りのシュークリームを食わせる奴が居るんだよ！？ まるで罰ゲームじゃないか！？ からーーっ！)
そう思っていると、7つ並んだライトの内、右から4 つが消えた。そして青から黄色へライトの色が変わった。
現在黄ライト3つ点灯。
(なっ！？ 今度は消えた……。しかも半分以上も……。色まで変わりやがった……。これは……。まさか……。ライフポイント……。なのか……？ これが0になったら……。)
突如、某カードゲームの主人公であるヒトデ頭の王様の事が脳裏に浮かび、ライトの意味を自分のライフポイントと推察する。ライトが全て消えた時の恐怖も新たに湧き出てきた。それと同時に、口の中のヒリヒリが長らく収まらない。
(それにしても……。こんなシュークリームは……。いや……、こんなカラシュークリームは二度と食うもんかっ！)
あまりの辛さに、カラシュークリームを用意した張本人に対して、ひたすら怒りのボルテージを蓄えるのであった。
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