八番目の怪談

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今放送されているのはリメイクものだが、子供の頃にアニメを視聴していた親世代も巻き込んでさらに人気を呼んでいるキャラクター。 「あたしはアニメのヤヒロ程頭良くないよぉ」 少し鼻にかかる甘えた声は、生来のものか、作っているのか。 たぶん後者だ。自分を弱いのだと下げて見せながら、こびた視線で僕を見上げてくるのだから。 「しつこいぐらいの八並びだよね、八番目の怪談」 「そだよねぇ、本当に何かありそうっぽい」 陽気にネイルで彩られた手を叩いて笑うのも、距離を置かれてボッチでいる寂しさから僕にすり寄りたいからだろう。 「なんかさ、名前に八があるお前がいると成功しそうだからさ……」 ほんの少し間をおいて、意味ありげに真っ直ぐ瞳を見返して、思いついたばかりのずさんな計画を口に乗せてみる。 「今夜にも試してみない」 僕の声にも、つい怪談への興味だけではない別の興味の色が混じる。 イケナイ秘密を共有しようと。 茶髪をゆらしにんまりと笑う口元を、尖った舌先が通り過ぎて妖しい輝きを唇に掃いた。
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