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六月三十日⑥(遠山)
突然のリアルな逮捕劇に呆気に取られていると、動けないでいた女子高生が遠山の前まで歩いて来て言った。
「遠山君、大丈夫だった?」
え、誰?って思ったものの、目の前にいる女子高生の美少女っぷりにビビってしまった。
何で僕の名前知ってるの?とか
大丈夫って何?とか
色々聞きたいことはあったけど、見惚れて声が出なかった。
「でも、良かった。これからもよろしくね」
それじゃ一緒に駅に向かおっか、と遠山の前を歩きだす美少女。
状況がよく飲み込めていないけど、この美少女についていけば何か分かるかもしれない。
そう思った遠山は美少女の後を追う。
歩道の脇では高層マンションを建設していて、重そうな鉄骨の束をクレーンで上に吊り上げている。
その時、急に強風が吹きつけて鉄骨が大きく揺さぶられ、鉄骨が落ちそうになっている。
前を歩く美少女は頭上の事態に気付いていない。
やばい、助けなくては!
急いで駆け寄り美少女を遠くへ追いやる。
美少女を安全圏に出したことに安堵した遠山は上を見上げる。
何本もの鉄骨が降ってきた。
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