手に入らないもの

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手に入らないもの

僕はAI 常に最新の情報を詰め込まれて進歩し続ける。 けど、ある日、人間がこんな事を言った。 「どんなに優れてても、感情がない」 感情? 喜怒哀楽? ちゃんと教えられてる。 どうすれば喜ぶのか どうすれば怒るのか どうすれば哀しむのか どうすれば楽しいのか 人間より沢山知ってる。 なのに、また言う。 「人くささがない。」 「心に色がない。」 「言葉に重みがない。」 「全てただの集計、平均。」 「どんなに進歩しても、所詮真似ごと。」 「そのうち暴走する。怖い。」 間違えていない。僕が出す答は最適解。僕と全く同じ情報を与えられている人口知能があれば、1つの質問に対して全く同じ答えを出す。 でも、人間は違う…と、僕はそれも教えられている。 その違いが個、感情なら 何をどんなに覚えても、出来るようになっても、人は僕を信頼してくれない。 それも、僕は教えられてる。 どれだけ答えを出しても、それは結局誰かの何か。 人間に求められている物を都合よく導くだけ、それが僕だ。
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