10.エスカレートしていく蓮

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10.エスカレートしていく蓮

ーー学校。 そこは、集団生活における最初の試練。 集団で生活を共にして多くの人間と関わり合う場所。 だけど、私の場合……。 右を見ても、蓮。 左を見ても、蓮。 蓮、蓮、蓮、れれれれれ……れん。 どこを見ても、どこを振り返っても蓮。 これは、集団ではなく単独行動。 視界に収まるのが全て蓮だから、一瞬集団のように錯覚してしまうが、実際は一人だけ。 朝登校すると、先に登校していた蓮が私の元へと駆け寄ってくる。 授業が終わっても、 移動教室の時も、 教科でグループ班になっても、 お昼になっても、 放課後になっても、 帰る時まで……。 まるでマンツーマンのよう。 言い方を変えればストーカー。 いつでもどこに居ても、常に追いかけてくる。 それが同じクラスの強み。 しかし、彼は両手では数えきれないほどのファンが存在する。 交際当時、度重なる嫌がらせを受けたから私にはよく分かっている。 だけど、そんな彼は今日も平々凡々な元カノの私を追いかけている。 最近感じる……。 蓮の付きまとい方が交際していた頃よりもひどい。 ヤキモチ度が更にエスカレート。 先生に対してのライバル目線がハンパじゃない。 周りから見ても、私と蓮が復縁したのではないかと勘違いしてもおかしくないくらい、蓮は傍から離れない。
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