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レプティリアが住む地球上の各地に、突如、小天体が現われた。
小天体から大気中へ拡がったバクテリアはレプティリアに感染し、レプティリアの死滅が始まった。
「これで、何もしなくてもレプティリアは壊滅だよ~。
ねえ、バスコとマリー。おうちへ帰れるよ~」
クピがそう言った時、コントロールポッドのクラリスが意味ありげに微笑んだ。
もしかして・・・。バスコは不吉な予感がした。
クラリスは黒髪をポニーテールにしたバトルスーツの若い女戦士、素粒子多重位相反転防御エネルギーフィールドで構成されたアバターだ。AIを介してこの平行宇宙に現われている宇宙意識、つまり電脳宇宙意識だ。クラリスが望むAIが存在すれば、宇宙意識のクラリスは、どの平行宇宙にも存在できるはずだ・・・。
「クピ。そういうことだな?」
「うん。でも、あたしは、よくわかんないよ~」
「そうでもなさそうだよ。
クラリス。私たちは家に帰るんだろう?」
マリーがクラリスに確認した。
ここはリナル銀河・カオス星雲・アルギリウス星系の第二惑星アルギランだ。
家は、リナル銀河・カオス星雲・リオネル星系(恒星リオネル)・第三惑星イオスのコンラッドシティーにあるバスコの岩窟住居だ。
『バスコもマリーも、AIが内蔵された戦闘気密バトルスーツとバトルアーマーを着用しています。AIによって身体環境は保護され、かつ、宇宙戦艦と同等の防衛機能と擬態機能があります。クピも私も、AIが有る限り存在できますよ』
「何だって?」とバスコ。
「やっぱり。嫌な予感がしてたんだよね」
マリーが苦笑いした。
『装備されてる武器と兵器は御存じの通りです』
クラリスがそう言うとバスコとマリーの意識に記憶が現われた。
バトルアーマーには、MA多機能KB銃、MI4粒子ビーム拳銃、N型迫撃弾(超小型ミサイル)、BA巡航弾(巡航ミサイル型手榴弾)、レーザービーム銃(バトルスーツ内蔵型)、コンバットナイフ、スカウター通信機バトルアーマーには、それらと防御エネルギーフィールドのシールドを管理するAIがすでに装備されている。
これでバトルアーマーの重量は30kgを越えるがバトルアーマーの機能を維持するPDドライブ(プロミドン推進装置)によって、装備のバトルアーマーは無重量化とステルス化が成され、同時に、望むスタイルの衣類に変身できる。
『さあ、移動しましよう・・・』
クラリスは、隣の家へ行くように調子でそう言った。
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