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二 たった二人の要塞
東京まで行くはずの新幹線が上野駅で緊急停車した。説明がないまま、乗客は列車から降ろされた。駅から出された俺は、何が起こっているか、理解できなかった。
上野駅の交番前を歩く俺は、いきなり交番に引きこまれた。引きこんだ女はエルと呼んでくれといって、俺に拳銃FN HiPerを二丁と、大量のマガジンが装着されたベストとベルトを装着させた。
「何だ?どうした?」
「説明はあとだ!これからヒューマノイドが押しかけてくる。軍隊は間に合わない。我々が対処する。あそこを見ろ!」
エルが指差す先に、ビルに立て籠ったヒューマがいる。皆、拳銃FN HiPerを二丁持ち、大量のマガジンが装着されたベストとベルトを装着している。
話しているうちに、ヒューマノイドの波が上野駅に近づいた。
「奴ら、駅を占拠して、交通手段を奪う気だ。
奴らが近づいたら、奴らの頭を撃て!
来たぞ!撃てえっ!」
交番はヒューマノイドの波に立ち向かう、たった二人の要塞と化した。
交番には、防弾のシャッターが下ろされ、銃眼と銃撃用に開かれたシャッターの一部から外が見えるだけだ。
エルは、近づくヒューマノイドの頭を次々に撃った。撃たれとヒューマノイドの頭はスイカ割りのスイカの如く、砕け散った。
銃撃は二十分くらい続いた。
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