二 たった二人の要塞

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「なあ、何をするために出てきた?」  エルは水のペットボトルを俺に投げた。もう一本のボトルのキャップを開けて水を飲でいる。 「仕事で東京から神田へゆくつもりだった。  あいつらは何だ?」 「都内の水道水に何かが混入した。飲んだのが奴らだ」 「浄化装置があるだろうに・・・」 「これを防げるか?」  エルがタブレットを見せた。そこには搭乗兵器のような物体があった。 「何だこれ?アニメの画像か?」 「ここからは、私の推測だ。  これは機動兵器だ。ヒューマの体内に入って脳に集り、ヒューマを支配する。支配されたら、ヒューマは元には戻らない」 「エイリアンか?」 「そうだと思うが、国防省も警察省も科学技術省も、誰もそんな事を認めない」 「この画像でもか?」 「この画像自体を認めないんだ。エリアンが微細な存在だなんて思っちゃいないんだ。なぜかはわからん」 「この画像を誰が撮った?」 「私の兄だ」 「何者だ?」 「理科教師だ。また来たぞ!」  エルは交番の正面に現れた奴らの頭を銃で吹き飛ばした。  奴らヒューマノイドとヒューマを区別するのは目だ。奴らの目は瞳孔が開いて真っ黒だ。表情がない。動きが緩慢だ。俺でも奴らの頭部を撃てる。そして、奴らの血液など体液は緑色だ。
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