三 理科教師からの情報

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三 理科教師からの情報

 電導有機組織によるマイクロコンピューターの脳内インプラントの記憶によれば、エルはLだ。茶居玲香、レイカのエルだ。そして、俺は軽部平太、通称はHだが、呼びにくいのでカルベの頭文字をとって、Cと呼ばれていた。 『エル。エル』  Lを呼ぶが、銃撃の音で聞こえないらしい。しかし妙だ。脳内インプラントで思考が直接伝わっているはずだ・・・。 『エルっ。L!L!』 『うるさいっ!余計な事を考えずに撃て!話は後だ!』  そう伝えながらも、Lはズッと撃ち続けている。俺もヒューマノイドを撃ち続けた。  交番に立て籠った俺たちをヒューマノイドが襲ってくるが、交番に近づくことなく、頭を吹き飛ばされて路上に倒れている。俺たちは何人もヒューマノイドを倒したはずだ。それは拳銃FN HiPerの空になった23個のマガガジンを見ればわかる。マガジン1つには20発のエクスブローダー弾が入っている。俺は少なくとも、300体以上のヒューマノイドを倒していることになる。  銃眼になっているシャッターの隙間から、路上を見ると、頭を吹き飛ばされたヒューマノイドは平たく変形してヘビのようにのたうって所々に集り、収縮して球状になってその場に留まっている。 『うっ?なんだこれは?』  脳内インプラントから、何かが俺の中に現われた・・・。
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