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大きなスクリーンの裏に並ぶ小さな人影。
その1人1人の首からはフィルムが入っているケースがぶら下がっている。
そこでメガホンをもって話すのは”ほのか”。
「今”私”はアクション映画を見てるよ!特殊能力を持っている皆さん!すぐに準備出来るように前のほうへ集まって!」
その言葉にぞろぞろと前へ移動する”魔法使いのほのか”に”超能力のほのか”達。
それを確認して満足げに腕を組む。
そして彼女たちの出発を合図しようとしたとき、急に状況が変わる。
慌ててメガホンを構えなおす。
「えー、”歌手のほのか”。”歌手のほのか”!”私”がアクション映画のエンディングにインスピレーションを得たみたい。至急前のほうへ!急いでセットしてスクリーンへ向かって!」
ざっと一斉に道が開けて走ってくる”歌手のほのか”。
そして機械に首から下げていたフィルムをセットしてそのままスクリーンへとぷんと入っていった。
自分じゃないのか、と各々散らばる中、あたしは無事送り出せた、と一息つく。
そして椅子に座りスクリーンの向こう側にいる観客席の”私”の気持ちに目を閉じて寄り添った。
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