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 バッタ船が降って三年の月日が流れた。この国は平和なので、シリに特性を持たせ、体内のがん細胞のみを食べさせるという研究に力を注ぎ、今、動物実験がなされているところである。ある国では増えすぎた外来生物のみに寄生するよう変化させたようだ。各国それぞれ、自国の問題を解決するためにシリを利用、研究用に確保しているのである。  フネン族全員が同じことを考えているわけではないのは当然と言えば当然である。降り立った国が違えば、そこに住む人々の考え方も、極端に言えば善悪、正誤の基準も違うのである。生物兵器としてシリをと考えている国は表だって公表していない国も含めれば、かなりあるのではないかと思う。  俺は相変わらず富士田として過ごしている。予期しなかったことだが、この三年の間に二度分裂した。俺の片割れ達はそれぞれ、望む人間(場所)に寄生しているに違いない。忘れた頃に連絡がくる。  そう遠くない未来に実現可能になるのではないかといわれていることがある。シリとフネンがこの星を離れ、元いた星で平和にのんびりと毎日を過ごす。勝手な話ではあるが、俺の大切な片割れ達には是非そうしてほしいと思っている。
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