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コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長 後編
そして愛する璃音を守る為に
またまた大きな声で独り言を呟き始めたバカ子の玲は
「えーっと三千円の純金コーナーはドコかな?
でも三千円ポッキリの金塊なんて超~目玉商品だから~、
もしかしたら、どこかのシェルターとかに隠しちゃったのかなぁ……」
て感じの鋭いワードを織り混ぜながら
プラチナ系の商品を並べたショーケースの前で
キビキビと仕事をしている璃音に向かってドンドン歩いていたけれど
最終目的地であるプラチナのコーナーまでは、あと10歩位しかないので
次の瞬間、覚悟を決めたヘタレの玲は、この勢いで更にギアをあげながら
*****
「あれ?あれれ~?ここって純金コーナーじゃなくて
ちょっとワイルドなプラチナのコーナーだったの~?…えっ?
あらら~璃音さん?いやぁ奇遇ですね~、今日はお仕事ですか~?」
こうして明らかに
挙動不審な怪しい挨拶をかましたのに、
そんなアホの玲を熱い眼差しで見つめる璃音は開口一番、
「そうか、なる程な…つまりお前は……、
客に変装してまで俺に逢いたかったと言う事だよな?
わかったよ玲…じゃあ今夜は大胆なお前のリクエストに答えて
何もかもがメチャクチャになる位のワイルドな夜にしてやるから、
だから今夜はお前が先に、ベッドの上で俺の事を待っててくれないか?」
もはや天然記念物みたいなイミフの挨拶をした後に
「だがな?俺だって期末テストの間はずっと、
お前のキツいシェルターと逢えなかった訳だから、
そりゃぁもちろん俺の金塊も、玲を求めて寂しがっていたんだぜ?」
「はあぁああ~??」
そして今度は鳩が豆鉄砲を食らったように
唖然としながらも思いっきり呆れた様子の玲を強く抱き締めて
しかも このままの勢いで
「じゃあ今夜は真夜中限定のワイルドな犬になる為に
俺は今から仕事を頑張る事にするから、お前も良ければ俺の為に
今夜はオムライスを作ってくれないか?あぁもちろん心配しなくても
俺のマンションの鍵は、今ここでお前に手渡しておくから、
だから今日からは自分の家だと思って ゆっくりと寛いでくれよ玲」
と無理難題を言ってすぐに、
玲の顎をクイッと上げて熱いキスをしたけれど
まるでプレタポルテの再来みたいになってる璃音の周りでは
「き、き、金のコーナーにぃ、じゃなくって~
プ、プ、プラチナのコーナーに~ブレシュレットを陳列しましゅたぁ!」
なんと再び五十嵐店長が、
今度は日本語を忘れたプラチナ妖怪と化していて……
しかもその隣では、さっきからずーーと腹を抱えて爆笑している円行寺彰が目に涙を浮かべながら
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