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「あの〜、これ?」
「どうしたの?」
髪の長いスラッとした格好いいお姉ちゃんに聞いた。
「あの〜、これって、もしかして半分ですか?」
「えっ! そうだけど」
やっぱり!
「これはね。わたしのおじいちゃんの持ってたもの、というかここにあるのほとんどそうなんだけどね」
わいはオシャレな物を見回して、あー、これが本当のアンティークっていうんやなって納得した。
「昔住んでたフランスから持ち帰った骨董品だって」
「あの〜、これ、いくらですか?」
「ハハ、欲しいの? ま、いいけど、それは他のと違って、なんか東南アジア製っぽいよ。片側だけみたいだし」
「いいんです。実は……」
わいは、髭のおっちゃんの方の話をした。
「そう。おじいちゃん、何も言ってなかったけど。たまにその人形見てたりしてたのよね。私には何があったのか分からないけど」
「あの、いくらですか?」
「よし持ってって! 連れてってあげて」
「えっ」
「そしたら、喜ぶでしょ」
「でも」
「ほんとはね、ちょっと怖かったのよ。でも捨てるわけにもねえ。それでだれか欲しい人がいたらと思ってね」
ハハ、言いたいことは良くわかった。わいも同じやもん。普段やったら絶対買わへん。というか近寄らへん。でも、なんか気になってしゃあなかったんや。
わいは、その木彫りの人形を紙袋に入れてもらい持ち帰った。
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