月の光

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 やがて、歩幅の広いトントンという足音が近づいてきて、音楽室の引戸が三回ノックされてから、引戸が開いた。 「ごめん!遅れた! 今日はクラス委員の集まりがあってね」  そう言いながら、ピアノの側で手に持っていたケースからクラリネットを出していた。 本体を組み立てて、リガチャーにリードを取り付けて軽く音だしをしていた。  とても芯のあるきれいな音色だと感じた。 それから譜面台を立てて、そこに楽譜をおいて、準備万端といった感じだ。  そうして、 「サナ、いつでもいいよ。」  それを合図に、息を合わせて曲がはじまった。
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