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少年の名前はアランと言い、盗賊だった。本人は義賊だと嘯いているが、他人に分け与えるのが1、自分の取り分が9では、義賊を名乗るのは烏滸がましいだろう。
そんな彼が盗掘にやってきた遺跡で魔法のランプを見つけたことから、奇妙な共同生活が始まることになったのだった。
魔人は自身の職務を全うするため、少年が何かを羨んだり、愚痴を言ったりするたびに「それがあなたの願い事ですか?」と尋ねる。
しかし、それが逆効果だったようで、彼は不平不満を言わず、自分で全て解決するような人間へと成長していった。
今までの主人とは出会った瞬間に願いを叶えて終わりだった。その後、彼らが幸福になったのか、不幸になったのか魔人は全く知らなかったし、特に興味もない。
そのため、初めて長く付き合うことになったこの主人に困惑しつつも、魔人は徐々に彼に愛着を持つようになった。
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