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青年期
少年はいつしか青年になった。
アランは未だに盗みで生計を立てていたが、今ではその稼ぎの半分以上を貧しい者に分け与えている。昔から名乗っていた義賊の肩書きも、もはや自称するだけのものではなくなったのだ。
そんなある日、彼は海賊船に盗みに入った。
ヨック海賊団は近辺の港を襲っては金品を強奪しており、貯め込んだ財宝の数も、その悪質さも彼の標的に相応しいものだったのだ。
出航した海賊船を小舟で追いかけ、船内に侵入したところまでは良かったが、宝物庫から宝物を運び出す所を見張りに見つかってしまい、彼は慌てて逃げ出した。
彼に呼び出された魔人が周りを見ると、大砲による攻撃を受けたのか、小舟の中に水が入ってきている。彼は備え付けの桶で必死に水を掻き出しているが、このままだと沈むのも時間の問題だろう。
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