青年期

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「なるほど、あの海賊船から逃げ切れば良いですか?それともやっつけてしまいますか?」  尋ねる魔人に彼は首を振った。 「いや、必要ない」  強情な主人に呆れる魔人だったが、彼の言葉の続きにギョッとする。 「ただ、このまま船が沈んだ場合、ランプも海の底だ」 「私を脅してるんですか?」 「いや、単なる状況の報告さ」  魔人は唸った。魔人は生物ではないので死ぬことはないのだが、塩水が充満したランプの中で長い時を過ごすことを良しとしない程度の情緒はあった。
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