4人が本棚に入れています
本棚に追加
脅しに屈した哀れな魔人は小舟を漕ぎ始めた。
「魔法でどうにかできないのか?」
「魔法は願い事にしか使えないんですよ」
ぶつくさ言う主人を睨みつけると、驚くことに彼は手を止めている。
「何してるんです?早く水を掻き出してください!」
慌てる魔人を見て、彼はニヤッとして言った。
「それがあなたの願い事ですか?」
命からがら逃げ延びた二人は、近くの港にたどり着く。「魔人生」初の重労働に業腹の魔人は、主人に提案した。
「ヨック海賊団を潰しましょう。願いは割り勘でいいんで」
「なんだよ、願い事の割り勘って」
アランは笑った。
最初のコメントを投稿しよう!