壮年期

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 アランは盗賊時代のスキルを活かし、ランプだけを持って大臣の家に忍び込み、護衛がいなくなったところで声をかけた。 「俺はあんたのクーデター計画を知っている」  大臣は少し驚いたようだったが、すぐに落ち着きを取り戻す。義勇軍のリーダーである、アランの顔は大臣も知っていた。 「王が盗賊の言う事を信じると?」  その言葉を聞いて懐に手を入れたアランに、大臣は怯えた表情を見せたが、取り出したのがランプと分かるとその顔が怪訝なものに変わった。 「俺は戦で一度も負けたことがないんだ。聞いたことがあるだろ」  彼は自慢げに言った。 「それがどうした?」 「これも聞いたことがあるんじゃないか?」 「俺は魔法を使える。負け戦もそれで戦況をひっくり返してきたのさ」
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