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私は、夏が好きだ。
塩辛い海の風も心地の良いさざなみも
そしてこの海を見ている君も
私は、とある旅人だ。
自由気ままに休日を使って旅行に来ている。
ある町に来た。
この街には絶品のカレーがあると聞いて
ただ道がわからない。
調べればいけるだろうと考えていたのだが
全くわからない、私は自分が方向音痴なのを
考えていなかった。
人に聞くか一人でたどり着くか
諦めた私は、道を通った一人の主婦に聞いた。
「あの、すいません。人気のカレーが食べれる場所ってどこで食べれますか?」と聞いた。
その主婦は快く教えてくれた。
「そのカレーなら浜辺の近くにある灯台の目の前にあるよ、ただあそこは、気をつけてね。」と言われ私は聞き返した。「何をでしょうか?」すると「あそこの近くに自殺スポットがあってね。幽霊が出て車を海に引きずり込むらしいからね」と私は、どこにでもある話かと思い聞き流した。「はい、わかりました。ありがとうございます。」と言い車で走り去った。
あの主婦の言う通り浜辺にはたくさんの張り紙があった。
そこに長い黒髪の少女らしき人影があった。
私は、さっきの主婦の話を思い出しまさかと思いながら車を浜辺に止めた。
恐る恐る近づいて見ると少女ではなく20代前半の女性が立っていてその黒髪はブレイズだった。
???「すいません。さっきから見てますよね」と言われ急いで
「すみません。とてもきれいで」と誰が聞いてもナンパかお世辞にしか聞こえないセリフを口に出した。
???「ここらへんの方じゃないですよね」
「はい、美味しいカレーがあると聞いて来ました。」とバカのような返しをしてしまった。
女性はクスクスと笑い近づいてくる。
近づくに連れて女性の顔がはっきり見えてくる。誰が見ても一瞬見とれてしまいそうなほど美しい顔をしていた。
「私も食べに来たんです。カレーもしよければご一緒してもよろしいですか?」と彼女は言った。
「はい。喜んで」と私は言った。
彼女は歩いて来たらしいまたここに来るのは初めてではないと、私は、車の中で聞けていたことはそれだけだ。
私の頭の中は空虚そのものだ。
それでも隣にいる彼女の名前を聞くことができた。
「おにゃまえはなんでしょっか」と恥ずかしいくらい噛みながら言った。
彼女も私の痴態を見て照れながら言った。
「葵『みどり』、三嶋葵です。」とすかさず
私は、「いい名前ですね」と言い放った。
すると彼女は、「そんな、小さい頃あおいと書いてみどりと読むので弄られていました。」と彼女は恥ずかしそうに言った。その何気ない会話のあとすぐ目的の場所までたどり着いた。
絶品カレーはとてもスパイシーな香りを漂わせながら私を誘う。
私はその誘いに抗うことなくしたがって店の中に引きずり込まれていく。
カレーはとても美味しいがそれより先程の女性が隣に来たのが気になってそれどころではないとなりの彼女は、ラムネとカレーを頼んだラムネの薄い水色がとても悲しく見えたのは気のせいだろうかと考えていたらカレーが来た。
私もどことなく海のなまぬるい風受けながら食べ始めた。
気がついたらカレーはなくなり水が少し入ったグラスを飲み干し彼女に話しかける。
「このあと一緒にさっきの浜辺に寄りませんか」と誘った。
「実は、私も行きたかったんです。」といい
二人は店を後にした。
この頃、空は夢や幻のようなどこか儚げな色をしていた。
「この浜辺実は底が深くていい音がするんですよ」と彼女は言った。
彼女は青い瞳をしていて黒髪に三編みをしたハーフアップそして服は白い清楚なワンピース
そう彼女が自殺の浜辺の幽霊の正体だった。
私は、「あなたがこの浜辺の幽霊だったんですね‥」と言った。不思議と怖くはない
「あなたが今日私と食べてくれたカレーほんとに美味しかった。とても楽しいお出かけだった
本当は、もっとあなたと話していたい。私の話はみんな聞こえないけどあなたは聞こえていて運命だと思った。ありがとう」と最後に消えていった。
私は毎年夏になるとこの浜辺に寄ってラムネと灯台の前のカレーを二人前テイクアウトして食べる。
思いを寄せながら、、、
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