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観光が終わり旅館に戻って一息つく。
「わー思ったより綺麗!さすが何十年も続く旅館ですね!」
「ほんとだね〜」
部屋に入ってテンションが上がる咲ちゃん。もう1人相部屋となった女神(のように優しいと評判
)の笹川さんも、微笑みながら相槌をうつ。
相部屋ガチャ、大成功…!
今のところ、旅行もトラブルなく順調だし、むしろ楽しさすら感じる。
「私ちょっと、御手洗いってきますね」
「はーい」
廊下に出ると、昼間ガン見してきたお姉さんが布団を運んでこちらにやってくるところだった。
「あ」
「宮永さん」
「え?」
「ちょっと着いてきて」
「は、はい」
なんで私の名前を知ってるんだろう。大人しく着いていくと、誰もいない部屋に到着した。
「待って…どちらさまですか?」
「麦田まりの」
「え?まりのちゃん?!」
明らかに整形してる。鼻が高いし目も大きくなった。整形に偏見や悪いイメージはないけど、これは気づかないって。
「変わらないね、宮永さん」
宮永さん呼びや冷たい話し方から、どことなく私に対する敵対心を感じる。
最後に会った高校生のまりのちゃんは、黒髪ロングで控えめで、どの顔のパーツも主張してこない穏やかな顔立ちだった。
いや、今見た目はどうでもいい。
なんか……
なんていうか………
刺されそうな雰囲気!!
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