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#03 ビターな社員旅行<後編>
私にゆっくりと近づくまりのちゃん。
思わず後ずさる私。
……この時間は永遠に続くように感じる。
「ぶっ、アッハッハ！」
吹き出して笑うまりのちゃんを見て呆気にとられる。
「別にとって食ったりしないから。でも、その感じからして圭に全部聞いたんでしょ」
「別れたって事しか聞いてないよ」
「……へえ、そうなんだ。あいつらしい」
長い沈黙のあと、そう言い放って鼻で笑った。たかみんのこと、あいつって言った…？二人がいい別れ方をしなかったことは何となく分かった。
「で、宙ちゃんは？」
「え？」
「今何してるの？」
「…あぁ！わたし？わたしは……」
歩きながら嘘の情報を本当のように話す。話しながら、ロビーが見える自販機周辺で立ち止まる。
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