#01 傾いたフルーツタルト

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 胃の中に入ってしまえば同じなのさ…と思いながらフルーツタルトを頂きつつ紅茶を飲み、幸せなひとときを味わう。  少し割れてしまったクッキーを食べながらスマホをいじる。数分後にはぶつかったことすら忘れていた。 「残業が響いたな…さっさと風呂はいって寝よ」  脱ぎ散らかしてあるコートを拾い上げると、ポケットあたりに何かが入っている感覚があった。  ああ、そうだ。酔っ払ったイケメンとぶつかったんだった。んでチョコ貰ったんだった。  なんか変な人だったなぁ。もらったチョコ、食べて大丈夫なやつ…?  いや、チョコに罪はないよ、うん。  チョコが置かれた机の前で10分ほど葛藤したのち、チョコをいただくことに。 「うんっっっまぁ!!!」  …隣人の方々すみません。あまりの美味しさに大声を出してしまいました。 「たしかベルギーって言ってたよね…」  スマホを取りだし、チョコの包装紙に書かれたローマ字を1文字ずつ呟きながら打ち込んで検索する。   「へぇ、日本のショップサイトがあるのか!」  商品欄を舐めまわすように見て同じデザインのものを探す。  が、それらしきものは見つからない。ベルギー限定の商品なのかもしれない。  この日、結局モヤモヤしたまま眠りについた。
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