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その日の放課後、私は教室に筆箱を忘れたことに気づき、部活の後に取りに戻った。
教室からの電気が廊下に漏れていたため誰かいるのだろうと思いつつ教室に入ると、真理子が一人で本を読んでいた。
話しかけられたくないという気持ちもあって、私は物音を極力立てないようにこそこそと自分の机から筆箱を取り出し、教室を去ろうとした。
「ねえ……優里ちゃん……あのさ……」
どことなく気まずさを抱きながら、私は真理子の次の言葉を待った。10秒ほどの沈黙が流れてから再び真理子が口を開いた。
「昼間はごめん。急に怒鳴っちゃって……ごめん。私も分かってるんだよね……よくないことをしてるって。本当はさ、怒りたくて怒ってるわけじゃなくてさ。でも……なんかさ……カッと来ちゃってから制御がうまくできない感じで……。私が悪いことはわかってるんだけどさ……。ごめん……。うまく伝えられないけど、私って変だよね……?」
変じゃないよ。
いつもならそう答えられていたかもしれない。
私の頭の中で何かがプツッと切れた気がした。
「変だよ! 自分がおかしいってわかってるなら自分で何とかしてよ。なんで私に八つ当たりするの?」
不満を吐き出してからは止まらなかった。
「本当に迷惑! 前まではそんなことなかったよね! 真理子と一緒にいると……疲れる。 謝るくらいなら……もう今後私に関わらないで!」
罵声を言い放った後に、真理子のひどく悲しそうな表情を見て、やってしまったと思った。
私はその場の空気感に堪えられずに教室を後にした。
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