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マリちゃんはいつ目を覚ますのだろうか。
案外明日になったらケロッとしていて、いつもみたく元気に「なんともなかったわ~。余裕余裕」とか言ってきたりして……。
頭に障害が残る……か……。
私は何度も何度も同じ場所を行き来しながら、意味もなくただ茫然と徘徊していた。
あっ……そういえば……。明日マリちゃんたちと遊ぶ予定だった。
マリちゃんが行けなくなりそうだってほかの友達にも連絡しておかないと……。
友達に電話で事情を伝えているときのことだった。
感情が後から急に追いついてきて、涙が止まらなくなった。堰を切ったように気持ちが溢れ出して、不安で悲しくてたまらなくなった。
私はマリちゃんが今後目を覚まさないのではないかと心配で、マリちゃんが目を覚ますまで毎日病院に通った。
目を覚ましたのは事故の日から3週間も後のことで、マリちゃんが学校に復帰できたのは高校一年生の冬だった。
その頃から私はマリちゃんの態度に違和を感じるようになった。
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