第二章

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 「今日はあいにくナナが風邪をひいておるのだ。せっかく来てくれたのに、すまん」  「いいえ。お察しいたします。では私は後日、参りますので、どうぞ子育てに専念なさってくださいませ」  彼女は礼を尽くして帰って行った。すぐ次にサロットがやってきた。  「国王様、開発地の経費の件でお話が」  「よし、わかった。うわ、発射! 新しいオムツ!」  サロットは吹きだした。  「お察しいたします」  「すまん。サロット、今すぐーー」  「大丈夫です。できることはこちらで進めておきましょう。国王様、どうぞ頑張ってくださいませ」  アダムは政治と子育てに忙殺されたが、それでも幸せの絶頂だった。ナナの風邪が治った一週間後、彼は仕事と夕食を終えて、彼女と寝室のベッドに横になる。  「ナナ、手握っていいか」  「はい」  二人は一緒に微笑んだ。  「愛してる」  「愛してる」  三ヶ月後、アダムが仕事をしていると、声がかかった。振り返ると、サロットがやってきていた。険しい顔をしていた。  「悲しいお知らせです」  「何だ」  「落ち着いてお聞きください。ナナ様が散歩中、階段を踏み外して」  アダムは目をむいて乗り出した。  「怪我か?!」  「いいえ。即死でした」  しめやかに葬儀が行われた。アダムは会場で大泣きした。彼女を愛していた。これからもずっと愛する。  その後、彼はショックでこもりきりになってしまった。
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