姉と

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目を閉じ、姉に手を合わせ、1年の近況を報告する。 両親はかわらず仲がいいこと、私は大学受験の真っただ中で忙しいこと、それ以外にも、最近見た映画が面白かったことや、友人関係で悩んでいることなど、たくさんのことを姉に報告した。 思えば例年、目を閉じて手を合わせるだけで、あんまり自分のことを報告していなかったような気がする。 姉にたくさんのことを報告すると、なんだか姉と通じ合えているような気持ちになり、心地よかった。 でも、そのことがかえって、もう姉はいないというさびしさをありありと感じさせる。 お姉ちゃん、私のことはいっぱい話したよ。お姉ちゃんは今どうしてるの? ほおがじんわりと温かくなる。とても短い間の、とても大切な、お姉ちゃんと私のつながりだ。 目を開けて、姉の墓を見る。そして、私は言った。「お姉ちゃん。絶対、またどこかで会おうね。約束だよ。」 姉の墓を後にし、乗ってきた自転車にまたがる。もうすっかり夜だ。気をつけて帰らなければ。私は、静かな夜道を自転車で走った。
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