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一
薄桃色の花びらが夕暮れの空を舞う。夜風の中、密やかにステップを踏む。誰にもわたしがいると気がつかせないように、茂みに隠れて一人きりのステージだ。
決して主役にはなれないし、輝かしいスポットライトを浴びることもこの先、きっとないのはわかっている。仕方がないことなのだ。そうやって諦めてしまえば、どんなことも今まで通り楽に生きていける。それ以上思い悩まなくてもよくなる。
いろんなことを仕方ないことだって頭の隅っこに片付けてしまうことでわたしはすこしだけ楽になれる。
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