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四
夕飯の買い出しを終えてスーパーから外へ出ると誰かにぶつかりそうになった。
「すみません」
高校生位のおだんごヘアをした少女は慌てた様子で謝るなり乗っていた自転車のスピードを上げて走り去って行った。その自転車のカゴから何かがひらりと舞って俺の足元に落ちる。拾うとチラシのようだった。
“バレエスタジオ プログラム”
どうやらバレエ教室の勧誘チラシのようだ。
「おーい、なんか落としたぞ」
やや音量をあげつつ叫んだが、彼女の姿はすでに遠ざかっていた。
俺はため息を吐いて、載せてある写真を見た。そこには髪をまとめた少女たちがバーにつかまり踊っている。レッスン風景の一部を写しているようだ。彼女達は一様に薄桃色のシューズを履いて、すくっと立っていた。つま先が綺麗に後ろに反り返る。
「トーシューズか」
俺はチラシに載っている住所を見つめ、その方角へと足を進めた。
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