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「そうか……そうだよな……」
ひろゆきは沈黙して、不満そうにタバコに火をつけた。
一回深く吸って、強く吐き出す。
まるで説教する前の死んだ親父にそっくりだ。
「なあ、覚えてるか。小学生の頃、市民プールの後にカブトムシを取りに行ったよな?そんで洋ちゃんは森できったない剣をみつけて、俺は近くで変な穴を見つけたんだよ」
「なんだそれ……急に昔話かよ……」
怒鳴られるのだろう、そう覚悟していたせいか突拍子もない言葉に耳を疑った。
「まあいいけど、そんなことあったか??」
思い出せないまま適当に聞き返すと、ぎこちない表情でひろゆきは続ける。
「ああ、俺ははっきり覚えてるんだよ。まるでブラックホールみたいに真っ黒で気持ち悪い穴だったからな。それに洋ちゃんも興味津々だっただろ?その剣で『ファイアーソード!!』とか言って突き回したの記憶にないか?」
ぼんやりと記憶は残っているが、はっきりとは覚えてない。
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