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「グミ?お菓子の?」
私は拍子抜けした声を出した。
そう、彼が出したのは長さ1㎝程の
かわいい動物の形をした『ただの』グミだった。
「ぐふふ、そう思われますよねぇ。
これ、ただのグミじゃぁ無いんです。
このグミの中に『植物性』半導体チップを
注入していて、AIそう人工知能を作動させるんです」
「ちょっとまて。このグミの中に
『植物性』AIチップが入っているだと?
この大きさの中に?」
「今はネット上で何でも売られていますからねぇ。
誰が作ったのか分かりませんが
『植物性』AIチップの小型化に成功した者が
いるみたいですねぇ」
「それはアンダーグラウンドのマーケットで買ったのか?」
「ぐふふ、それは言えませんねぇ」
吉里は言葉を続けて
「このグミの中に入っているAIチップは
植物の『種』の形をしているんですよ。
それをちょいといじりましてねぇ。
グミを餌に発芽させたんです」
それがこれです、と吉里は言って
同じ紙袋から出したのは、
先程出したグミと同じグミが入った
シャーレだった。
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