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違ったのはシャーレに入っている方は
「発芽している」
私はそうつぶやいて呆然とした。
吉里は言葉を続けて
「早川チーフ、これは凄い発見でしょう。
これなら植物性ですので人体に無害です。
簡単に言うと、体内にスマホを
持ち歩くことになるんですよ」
「しかし、悪用されれば大変なことになるぞ」
「そうですねぇ。例えばですが
法を犯すような人間は、
植物性AIチップが体内で発芽させるというのはどうです」
「それは危険極まりない発想だ。
一口に法というが宗教が法であるという国もある。
世俗の法と宗教上の法が混在している地域に行って
何がどう法を犯しているのかAIに勝手に判断されて
発芽する危険性もあるぞ」
「ですが早川チーフ。
人類は増えすぎていますからねぇ」
「吉里君、それは!」
「おっと。危険極まりない発想でしたねぇ。
大丈夫ですよ、ちらっと頭にかすめただけですから。
ぐへへへへ」
「頼むよ、吉里君」
エアコンの音が一際大きく聞こえた。
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