植物性AI

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ある国と敵対関係にある武装勢力の支配する地域で、 文字通り植物を生やした 植物人間が現れるようになった。 その植物は人間を餌としていた。 体内で静かにツルや根を伸ばし、 目や耳からツルがはい出た時には手遅れで 植物のように足から根が出現し 地面に人を縫い留め歩行することもできず 寄生植物に枯らされる大木のように 人を『枯らして』いった。 疑われたある国は、その現象を否定したが その国でもこの現象が現れ始め ついに支配層にまで植物人間が出てきたことにより 植物性AIチップの存在を認め 世界に向かってワクチンを求めた。 それは吉里が開発した植物性AIチップの 発展形で『種型植物性AI』と呼ばれた。 お笑い草なのは、 その国は初め全ての『種型植物性AI』を ナンバリングしパスワードをセッティングしていた。 だが、『種型植物性AI』は学習をし始め パスワードを無効化してしまったのだった。 そして、その国は無差別攻撃の為に この『種型植物性AI』を利用したが、 ずさんな管理によりパスワードを無効化された 『種型植物性AI』を世界にばらまいたという訳だ。
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