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植物性AI
ある真夏の朝早く、
私は久しぶりに会社のオフィスへ出社した。
(普段はテレワークでビデオ会議ばかりだから
オフィスでみんな集まってする会議は新鮮だなぁ)
「早川チーフですね、おはようございます」
声をかけられて後ろを振り向くと
そこには小太りの背の低い丸眼鏡をかけた
吉里研究員がいた。
「ああ、おはよう吉里君。
それにしてもこんなに朝早くどうしたのかね」
すると彼は若ハゲの残った髪を上にあげながら
「実は僕、凄い物を開発したんです。
早川チーフは朝早く来るのはみんな知っていますからね。
それでその凄い物はというと・・・」
「ストップ。それは社の会議室で聞こう。
君が有能なのはみんな知っている。
私も君を高く評価している」
「そうですか。では会議室でお話ししましょう」
吉里はにたぁと笑うと半ば小走りに歩き出した。
私も彼の歩調に合わせて早歩きになる。
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