巡る世界で何度でも

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「僕には叶えたい夢があり、そのためには多くの時間を割く必要がありました。だから、彼女にはずっと待っていて貰ったんです」 「今年に入ってやっとその願いが叶い、生活の基盤が整ってきたので、一か月前、彼女の誕生日に満を持してプロポーズしました」 「きっと、彼女にはわかっていたんでしょうね。花束を渡した時、彼女は少しも驚いていませんでした。  ただ、とてもうれしそうに笑ったんです。これからも、よろしくねと。僕はその笑顔を一生守り続けると誓いました。なのに」
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